王様の、言うとおり


……それが急に真っ黒に戻ったのは3年に入ってすぐ。

受験生になってからです。



昨日までキラキラの金色だったのがどこへやら。



真っ黒な人がいきなり教室に入ってきて煌の席へ。



え?アイツ誰?と皆の目が驚きで点になった姿を私は今でも忘れません。





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『どこ受けんの。』





ある日の夕方。窓の方が煩いな……と思っているといきなり現れた煌。



そして聞かれた問い。



話し掛けてきた煌が手に持ち私の前にピラピラと見せ付けるのは提出期限間近の進路希望調査。

「教えない。……そっち、は?」


教えるもんか。バカにされるに決まってる。




『へぇ。自分は教えない癖に人のは教えて貰おうなんて思うんだ。菜月ちゃんは。』

「べ、別に教えて貰わなくても……。」



早く自分の部屋に戻れ、と言う目を向けます。






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