王様の、言うとおり
んー、アイツも学級委員を自らする程の優等生だ。
できる奴が、2人とも(煌の方は無自覚かもしれないけど)菜月ちゃん。
やっぱり賢い奴の好みは、ちょっと変わってる。
ただ、煌の観察は変化が無く表面下に表れるから分かりにくい。
だから好きなんだけど。
……菜月ちゃんはどうやら煌の機嫌を直して貰うためにジュースを買いに行ったらしい。
昼休みもそのために煌に捧げたような物だ。
健気。
なのに見付けきれなかったらしく。
それでも諦めない変な持久力を持っている菜月ちゃんは、もう放課後なのに財布だけを持って教室を出ていった。
「あーあ。菜月ちゃん行ったぞー。」
「だから、知ってる。」
菜月ちゃんが消えて、帰りの準備をしている煌に近づいた。
昼休みだって目を合わせようとしなかったのに、何気に菜月ちゃんの行動を把握してるし。