王様の、言うとおり
「ちょっと可哀想じゃね?せめて場所だけでも教えてあげたら良かったんじゃ?」
きっと今頃彼女は必死に校内の自販機を捜し回ってる事だろう。
「……苦労するから、良いんじゃん?半泣きになってるかも、な。」
……本当に菜月ちゃんが好きなのか、それともただの幼なじみ兼いじめのターゲットなのか?
いやいや好きなはず。
ただ、その愛情が歪んでるだけで。
でも、どちらにしても、菜月ちゃん可哀想。
良くあんなに素直に育ったよな。
小さい時から悪影響が隣にいたはずなのに。
「絶対菜月ちゃんが見つけられないって分かってて言っただろ?飲みたいジュース。」
「勿論。」
質が悪い。
菜月ちゃんは多分、見つけられないだろう。