王様の、言うとおり
気付かないかも、とちょっと馬鹿にしてしまってごめん。
どこまで行ったのか、きっと走り回ったんだろう。
うっすらと頬が紅くなっている。
そして、ほっそい指先に絡められている袋。
学校近くのコンビニの。
頭使ったな。コンビニに行ったのか。
俺もいたことに微かに驚いたらしい。
少し会話を交わす間、隣の煌は相変わらず下を向いたまま。
耳はきっとちゃんと聞いていて、俺が変なことを言いだしたらすぐに止められるんだろうな。
会話に区切りがついた所で、チラ、と煌を見た菜月ちゃん。
買ってきたジュースを早く渡したいんだろう。