王様の、言うとおり
『別に、約束してないから……。』
「……いつも家出るの8時だったのに?何かある訳?」
『特に何も……。』
怪しむキングの視線。
無いです、何も。
なんて、嘘。
有りますよしっかりと。
だけど、キングに言えません。
一緒に来た所を誰かに見られるのが嫌だなんて。
いつも約束していないけど、いつも通りの時間に家を出ればキングもちょうど出てきて。
そのままの流れで一緒に登校していたけれど……。
絵美ちゃんに協力を頼まれた日、絵美ちゃんがキングの事をすごく見ている事に気が付きました。
このまま一緒に登校していたら不審に思われる。
そう思った私は次の日から登校時間を早める事にしました。
私が先に行った、なんて思わず待ち惚けをくらってしまうと申し訳ないなぁ、とは思いましたが。