王様の、言うとおり



京くん側に向いている方だけかなり意識を集中してしまう!

もしかしたら京くんに見られるかもしれないんでしょ?



少し動いた時の音とか、静かな中の呼吸の音だったりあわよくば寝息、寝顔を拝むことだって断然確率は高くて……。


二人の間にちょうどプリントとか落ちたら……なんて私変態みたいになってる!



夢いっぱいのお隣さん。

漫画から、さりげなく隣のキングへと視線を移してみます。



……ダメだ。京くんとは程遠い。


京くんは皇子様。お隣さんは、皇子と呼ばれてるけど王様だもん。


惜しい。

……と、



王様のどこか教室を眺めていた視線が私へと向いて。


『何。』


………気付かれました。



「いえ……何も。」



『何もないのに俺を見ることなんてないよね?』




「や、本当に……何でもないです。」

キングが皇子だったら良かったのになぁって思ってたなんて言ったら、何されるか分かりません。


ズキズキと突き刺さる視線を無視しながら、続きを読もうとすれば

『高原、この漫画に出てくる男の子が菜月のタイプなんだってー!』

!?





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