王様の、言うとおり



ス―――――――、



何の障害も無く開いた窓。



鍵、かけてなかった……。



音がしないよう、自分が入り込めるだけのスペースを開けて、中に滑り込むようにして侵入します。



……泥棒のような気分。



バレたら、怒られるかな。

―――クーラーも何もついていないのに、キングの部屋はかなり涼しく。



少しだけ外気に触れていただけなのにうっすらと汗ばんでいたのがまた冷やされます。


振り返って窓を閉め、水槽へ。




近付いて、水槽の電気のボタンを押せば、

水槽の天井の部分に取り付けてある灯りがつきました。



部屋の中の唯一の灯りであるそれは、とても綺麗です。




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