王様の、言うとおり



窓から帰るのはできるだけ避けたい。


一階へ向かう階段を降りながら、そんな事を考えていた時。

ガシャガシャガシャガシャ







「――っ、止めろよ!」

「何であんたもあの人の肩を持つのよ!」




「ちが、落ち着けってば!」



急に、お皿の割れる音、そして人の声が聞こえて、反射的に体が固まりました。


すくむ、足。



階段の段差に足が張りついたまま、無意識に耳だけは状況を理解しようと機能します。



……キング?と、女の人の声。






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