王様の、言うとおり
これからこの散らかりを、一人でキングが片付けると思うと立ち去れない。
明日は合宿ですし……このまま全部片付けるとしたら、何時間かかるか分からない。
……どうしたら良いのか分かりません。
あんなおばさんとキングの会話を初めて聞いた。
最近はおばさんの姿を見ることも無かったし、キングとおばさんの会話も聞いていなかったけれど、もめてた。
たまたま、喧嘩しただけかもしれないけれど……
キングの焦ったような声。おばさんの、泣き叫ぶような声。そして、この状況。
見なかった事に、知らないふりなんて出来ないよ。
散乱した床から、再びキングに目を向ける。
と、さっきは背中しか見てなかったから、気付かなかったキングの異変。
……それに気付いた時、落ち着きを取り戻していた心臓がバク、と跳ねました。
そして、気付けば体はリビングの、キングの元に歩きだしていました。