王様の、言うとおり
キングはマンガよりも洋書の文庫本、の方が似合いそうだな。
パラパラと本当に読んでるのかただ絵だけを見ているのか、すぐに全部のページを見終わったキング。
パタン、と閉じた漫画片手に、様子を伺っていた私の方へと視線をあげて。
絡まった……と思えば。
『ふっ。』
……鼻で笑われました。
『ありえないね。こんなの。こんな奴が良い訳?菜月は。』
漫画を奈留ちゃんに返しながら、私に言ってくるキング。
「……ありえないけど!でも京くんみたいにカッコ良い人はこの学校にも一人くらい『ばーか。』」
……は?
『菜月。』
「何ですか。」
この人今、ばかで遮った!私の話を、夢をバカって……!
何か言いたげなキングに、私は軽く睨みながら返事をします。
『ここ、どこ?』
キングは真っ直ぐ私の方をむいて、良く分からない質問。
人差し指で床を差しているのを見て、答えます。
「どこって……高校。」
うん。高校。
『しかも公立ね。』