王様の、言うとおり
「……え、どこ?見えません。」
しれ、っと言ってきたキングに即答で答えます。
キングなら見えるけど……。
キョロキョロと辺りを見渡せば、ムッとしたような表情になったキング。
「はい、ホームルーム始めまーす。」
担任が入ってきて、会話はもう終了。
と思えば。
『……菜月。』
ひらひらと私の視界の端に映る煌の手。
何。と顔だけ動かして隣を見れば、笑顔のキング。
『……6巻。ライバルが主人公に告白してくっつくよ。』
!?
驚いて目を見開けば、私の顔を見て声を出さずに笑うキング。
さっきの仕返し、とばかりにネタバレされました。
【さん。王様は現実的です。】
他人にも現実的だけど、
自分にも現実的。
(まだ読んでないし楽しみにしてたのに……!)
(あと2センチで、俺は完璧)