王様の、言うとおり
俺は海に入ってないから、先に亮平を入らせたんだけど。
日陰であるテントの中に座っていただけでも汗をかいた。
「あぁ。」
冷蔵庫から水を取り出して近くに座り込んだ亮平を見て、
風呂に入る準備と、手首に巻いている包帯を外しだす。
「それ……またあれ?昨日早く帰ってたし。」
俺の手首を凝視する亮平。
何も言わなくても察してある程度の推測が出来る亮平は、楽。
「そ。」
包帯の下、傷に被せるようにしていたガーゼをはぐ。
少しの粘着感があり、はがれて露になった傷。
昨日とさほど変わり無く、見つめるそれに亮平がうわ、と呟いたのが聞こえてきた。