王様の、言うとおり
「なんか、気持ち悪いな。」
「は、そんな事言うか?」
「痛い。」
「我慢しろって。精一杯優しくしてんだから。」
「……不器用。」
「だから精一杯やってるって!」
風呂から上がった俺を向かえたのは、
消毒液を持ってニッコリ笑う亮平。
俺が風呂に入っていた間に先生の所から借りてきたらしい。
消毒、痛いからガーゼ新しくしてまた巻いとこうと思ってたんだけど。
「俺がいないと無頓着なんだからー。」と訳の分からないポジションからの言葉を投げ掛けられた。
いい、と拒む俺の手を無理矢理掴んで仕方なく処置を受けて早数分。
「♪〜〜♪〜ヘイ♪」
鼻歌唄わず真面目に全力を包帯に注いで欲しい。