王様の、言うとおり
「……まだ?」
「待ってって。あ、なんか合わない。」
呆れて亮平の手先を見つめる。
下手だし、汚い。
だけど言っている通り精一杯に処置してくれている亮平に
後は自分でやると中断させる事は出来ず黙って見ていた。
包帯の巻き終わる位置が納得できないみたいで、巻いては少し外し、を繰り返す。
何回も繰り返すせいで最初の方も緩んできたんだけど。
「んー……、これで良いかな。」
「うん。良い。」
「外したそうな顔してるけど……外すなよ。」
外さなくても、時間が経てば勝手に外れると思う……とは言わなかった。
巻かれた包帯を見ていれば、よし、と立ち上がった亮平。