王様の、言うとおり



ちょっと髪型を変えてきただけで『キャー。』

長袖をちょっと腕まくりしたり、ジャージの上着を脱いだだけで『キャー。』って。

何しても誰かをキュンキュンさせてしまうみたいです。


現に黒髪なんて地味すぎて有り得ない、と言っていた子が黒髪派になったとか。




私は絶対京くんみたいな金髪が好き、あ、でも京くんが黒髪になったら黒髪も好き……



言えば京くんが好きだから何をしても好き、なんだけど。

同じ金髪でも、やっぱりキングとは違って怖さ、と言うものがが無いけれど。

……マンガなんで比べようがありませんが。

つい余計な事まで考えちゃった。

いけない、とかなり板書が進んだ黒板を見て、消される前に写そうと取り組み始めれば……




『―……春日。』



いきなり名前を呼ばれ、ビクンと反応する体。




『春日はどこだぁー?』


私を探すように、教室を見渡す先生。


わ、私……?




何でっ!?

「は、はい……。」

これ以上大声で呼ばれる前に、小さく返事をして手を少しだけあげる。

『お、いたいた……。』

ポツリと呟き、先生の双眼が私を捉える。



『はい、何?』





続けて私に飛ばされた言葉。




え、ちょっと、何って何?



何が!


何を答えれば良いか……と言うか何を聞かれたのかさえ分からない。






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