王様の、言うとおり
キングのどこが好きで、どんな人なのか。
それは聞いて無かったなぁって。
絵美ちゃんとキングが会うのは学校でだけ。
その中で、キングのどこを見てたのかなって。
「全然知らないんじゃない?今でも少し冷めてるのは分かるだろうけど。菜月をいじめまくって遊んでる、なんて知らないでしょ。」
笑う奈留ちゃん。
『うん……。』
「……多分菜月はね、ずっと一緒にいたから皇子を取られちゃうって思って嫌なんじゃないの?」
『っ……そんな事無いっ!』
上半身を起こして思わず声が大きくなってしまった私に
奈留ちゃんは笑顔で「寝なさい。」なんて言う。
そんなことない。
取られる、なんて思ってない。
……キングは物じゃないです。
違う。
顔で訴える私に、奈留ちゃんは笑いながら手で私の体を倒して、私は抗うことなくまた寝ます。