王様の、言うとおり
……だけどキングはいつもと同じで涼しい顔。
「馬鹿。何言ってんの。」
『だって……っ。』
「俺がこんな所で死ぬと思ってる?」
何か自信があるようで、にっと口角をあげながら私に聞くキング。
どこからそんな自信のありそうな顔は来るんですか。
思いながらも、キングがこんな所で終わるなんて思えず、首を振ります。
「遭難、て大袈裟。」
『でもっ、』
真っ暗で、役に立たない地図しかなくて、こんな薄着で、食料も持ってなくて……。
「立って。」
キングは私にも立ち上がるように言って引っ張るので、仕方なく立ち上がります。
どうするかと思っていれば……。
「泣くな。大丈夫だから。」
『え、』
懐中電灯とは違う、光源が現れました。
キングの手から現われたのは、携帯。