王様の、言うとおり
目をカッと見開き、大声をあげながら立ち上がってきたベートーベン。
来ると思いました。
思ってました。
それを冷静に見つめようとするキングを今度は無理矢理引きずるようにして音楽室を飛び出します。
……飛び出した瞬間、ベートーベンの声も止まりました。
喉が痛い。心臓がバクバク言っています。
「音楽室クリアだって。」
息を荒げながら階段の手すりにすがる私の目の前に、たった今手に入れた紙を見せるキング。
そんなの見てる場合じゃないです。
紙を見ようともせず、小さく何度か頷くと、キングは腕を引っ込めました。
「次は理科室……行くよ。」
『後2回もこんな思いしなくちゃいけないの……?』
体が持ちそうに無い、です。
そんなに長い距離を歩いてるわけでも無いのに、常に神経を張り巡らせているからか、この疲れようです。
『―――うっ、』
「……模型。ってさ、もっと可愛い叫び声あげれないの?」