王様の、言うとおり



理科室のドアを開けた瞬間、目の前に倒れてきたガイコツの模型。



我慢しようとしたけれど洩れてしまった恐怖の声にキングの冷たい言葉。



すみませんねぇ。可愛くなくて。




人間、本当にビックリした時には可愛い声なんて出ません。

先に倒れてきたガイコツを跨いで中に入ったキングの背中を睨んでみました。



暗闇だから、バレない。



バレたら何をさせられるか分かりませんけど。




……理科室はさっきの音楽室よりも室温が低い。



理科室……と言えばホルマリン漬け、と嫌な連想が浮かんできた頭を左右に振ります。



周りを見渡すべきか……でも見渡して見たくない物が見える確率が高いです。




怖い。気になるけど、見たくない。




「……壼。」

『へ?』




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