王様の、言うとおり
前を歩いていたキングが止まり、ぽつりと呟いたキングに私はキングが見ている物を見ます。
黒い、一番前に置かれている先生用の台の上に置かれた、壺。
入り口は小さく、中は大きい土偶を連想させるような壺。
白く、そして赤の模様で装飾されたそれは血みたいで気持ちが悪く、つい顔が歪んでしまいました。
怪我した煌の手がフラッシュバックしてきます。
「……これ。」
照らした先には、注意書きとかかれた紙。
「【中に紙あり。壺を見て分かる通り繋がれている手を入れるのは不可能。どちらかの片手を入れて手に入れる事。その際壺に手を触れる事は禁ずる】」
注意書きを読んだ、キング。
読み終えて、静かになった瞬間、私の体温はサーッと冷たくなっていくのが分かりました。
次に何をキングが言うのか、私が何をしなければいけなくなるのか察してしまったからです。
「どちらかの繋がれてない方の手しか使えない……。」