王様の、言うとおり
何……?
覗き込むようにするキングの顔。
懐中電灯は足元を照らされ、暗いのにキングの顔が完全に見えます。
目が慣れたのもありますが、距離の近さがハッキリ見える一番の理由です。
『な、何……?』
どうかしたの、キングの目を見ながら尋ねると、眉を寄せたキング。
「泣いてる。」
『え?』
「自分で気付いてないの?」
す、とキングの腕が動いて目を瞑って視界を遮断すると柔らかい……包帯が私の目元に当たる感覚。
「怖かった?」
『怖かった。……気持ち悪かった。』
触られた瞬間は、予想していたけれどやっぱり驚いて怖かった。
だけど、その後は気持ち悪さしかなかった。