王様の、言うとおり



窓が開いてる……。



生暖かい風がそこから入り込んできて体を包みます。

室内は暑いはずなのに自分の体が涼しく感じるのはこの恐怖感からだと思います。



揺れる、ベットを仕切るカーテン。



ゆっくりと見たそこには、真っ白い着物を着た女の人が寝ています。


その前をゆっくり歩いて……。




その奥にある机の上で揺れる、蝋燭。




その下に置いてある紙。




それをキングが、音も立てずに右手でゆっくりと手に取ったのが分かりました。




<戻れ。>


声は出ていないけれど、キングの口がそう動いたのを読み取って頷きます。




踵を返して、もう一度ベットを見れば微動だにしない女の人。



出入口は一つ。

きっと、帰るときに起き上がってくる、はず。



ゆっくり、ゆっくり、歩いて……。


出入口まで、無事帰れました。




起き上がってこなかった!

ホ、とつく息。



黙って歩きだすキング。





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