王様の、言うとおり
終わったぁ……。
あとは帰るだけ。
もう早く帰りたいです。旅館じゃなくて、家に。
こんな思い二度としたくない。
肝試しなんか二度と参加しない。
心の中で決めました。
と、
「保健室の紙ゲット。これで戻れるね。」
大きな声で、言ったキング。
隣にいるんだから、そんなに大きな声を出さなくても……。
キングの意図が分からず、見上げようとすると……
ガラガラッ!
音を立てて、最後に壁にぶつかるように閉まったドアの音。
反射的に音のした方を見れば今出てきたばかりの保健室のドアがきっちりと閉まってありました。
閉めたのはきっと……さっきベッドに寝ていた人。
もう一度キングを見れば、笑いながら歩いていました。
『気付かなかったんだね。あの女の人。』
先生だろうけれど、見た事のない人だった。
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