王様の、言うとおり
Ⅱ……王様と一夏の思い出

ろく。王様と朝ごはん




【ろく。王様と朝ごはん】



コンコンコン



『………ん?』




気持ち良くタオルケットを被って睡眠の世界へ行っていた私がハッと気が付くと何か音がしていました。

何、朝からコンコン言ってる。

コンコンコンコンコンコン


おかしな物音に、ベットに寝転んでいた目を開くと、見慣れた枕が目の前に。




枕を退けて、自分の腕を枕にしてうつ伏せで寝ていたらしく、もう一度その中に頭を埋めました。




コンコンコンコンコンコン


……煩い。



『何。』

ぼんやりとした頭。

今目を瞑ればすぐに意識を手放す事ができると思います。

でも……



コンコンコンコンコンコン



まるで睡眠の世界に行こうとしている私を引き止めるかのように鳴り続く音。




少ししたら鳴り止むかと思い、数秒待ってみたけれど、鳴り止む気配は無く。

―――仕方ない。

寝てたいと怠さで訴える体に気持ちで勝ち、

むく、と腕に力を入れて起き上がり寝起きでふらつく足元で窓まで。

音はどうやら窓の方から。

……ここまで来たら、分かります。

“誰が”“何の為に”ソレを叩いているのか。




……寝起きなんですけど。




起こされたんですけど。




瞬きを繰り返しながら窓まで行くと、レースに覆われたカーテンとその向こうにうっすら影が。




この窓を叩かれてるって分かった時点で誰かなんて分かってましたよ?








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