王様の、言うとおり
……外したくないけど。
カチャ
窓の鍵に指を掛けて音がするほど勢い良く施錠を外せば、手をかける前に向こうから開くドア。
そして見えた、キングの姿。
「おはよう。」
『……おはよう。』
本当に、お早いことでして。
今、朝の6時ですよ、煌さん。
知ってました?
言いたいけれど寝起きでして上手く口が回りそうに無いので心の中で言います。
「鍵開けとけよ。」
『……防犯対策です。』
「俺しか侵入しないし。」
『だから防犯……「ん?」』
開いているかいないかも微妙な私とは反対にしっかり開いて私を見ているキングの目が怖いので、つい黙ってしまいました。
「とにかく、入れろ。」
入れて、じゃないんですね。
入ってくる事決定なんですね。
私、一応女の子で、寝起きなんですけど……
言いたいけれど全部心の中で。
ふぅ、と小さく息を吐いて窓から少し後ろに下がれば、軽々と部屋に入ってくるキング。
そして、ベッドに背を預けて床に座り込みました。
『は、早いね……。』
いつもは目覚ましが枕元で鳴り響こうが中々起きないのに。
「土曜日だし?」
チラっと私を見て当たり前のように答えるキング。
え、土曜日……?
土曜日だから何だって言うのか分からないけど。
土日は普段ゆっくり寝れない分朝が遅くなる曜日じゃ……?
「土日は早起きするだろ。」
何ですかその決まり。
キングの常識。