王様の、言うとおり
にじゅうよん。王様と恐怖の一夜
車の音がして、
お母さんは荷物を持ってそういうとバタバタと出ていきます。
…残されたのは、気まずい私たち。
や、キングは全然気まずそうな顔なんてしていませんが。
何事もなかったかのようにソファーに体を沈めてます。
「…どういうつもり、ですか。」
『何が?』
「何がじゃなくてっ!」
『暑い。』
会話になっていません。
パタパタとTシャツの胸元をつまんで仰ぎだすキング。
よくも、よくもまぁ、こんなに普通に…。
……ちょっとおかしな状況に立たされてますけど。
『あちー……。』
私から少し離れた同じソファーに座る人物。
今度はパタパタ置いてあったうちわで仰ぎ始めました。
ここ、春日家なんですけど……!?