王様の、言うとおり
「ん〜〜っ!」
絡んだ指を軽く振られます。
早く、と言うように。
逃がして貰えない、言うまで終わらせてくれない。
「ちょっと……。」
『“嫉妬しました”って言ってみ。』
「っ、」
やっぱりっ!!
分かってて言わせようとしてる!
無理。無理。絶対に無理。
俯いて、首を横に振ります。
『じゃぁ……嫉妬した?』
いつまでたっても口を開かない私に妥協してくれたのか、優しい声音が耳に届く。
うん、か、いいえ、で答えられるように。それでも十分恥ずかしいけど。
でも、ここら辺で返事をしないといけない。
直感でそう思いました。