王様の、言うとおり
やっぱり、あのころよりも成長してる。
笑う、笑顔も相変わらず綺麗で。思わず好き、って言いそうになってしまいます。
自分からは、絶対に言いたくない、言えない、と思っていたのに。
なんだろう、この、衝動。
「煌……あの、ね。」
つい、衝動に駆られて言ってしまいそうになります。
何してるんだろう。私。キングの顔を見れなくて、視線がどうしても泳いでしまいます。
そんな私を黙ってじっと見つめていたキング、また、くすりと笑って。
風になびいた髪の毛が顔にかかって思わず顔を俯かせると、それを払うようにキングの手が頬をかすめました。
『あ。砂ついた。』
……確かに、当たった、と思った瞬間ザラっとした感触がした。
腕でこすってみる。
『菜月、』
取れたかな。
そんなことを思いながら返事変わりに持ち上げた視線。