王様の、言うとおり



今度はキッと睨み付けてきた。菜月の癖に、やるじゃん。

『今から家に置きに帰る暇なんて無いだろ。』



後ろの廊下に、クッションを放り投げる。

「あっ!」




俺ごしに、廊下を覗く菜月。

―――――隙あり。

「ふぐっ、」



顎を掴めば、菜月から変な声が漏れた。




なんて声出してんの。

内心笑ってしまいそうになりながら、菜月の口に自分のを重ねる。



「ん……っ!」



……また。



< 597 / 600 >

この作品をシェア

pagetop