王様の、言うとおり
アレ、500円もするから最近買って無くて……。
ソレを、奢り?
「他にも、食べたいのは全部俺が買ってあげようと思ったのに。」
全部?
『……本当?』
キングを見ながら聞けば、キングは真顔で。
「本当。」
それだけ言うとまたご飯を口に入れました。
やばい……行きたくなってきました。
お祭りも楽しめて食べたい物も全部キングの奢りだと。
でも、ダメだ。
釣られてしまっては。
友達に見られたら……曇ってしまう表情。
行きたい。
でも、友達と会うから行きたくない。
「……あの人混みじゃ分かんないって。見つかる前に俺達が見つけて避ければ良いだろ。」
『そっか!』
私の気持ちを察したのか、淡々と言うキングに、納得。
向こうが私を見つける前に私が見つけて見つからないように回避すれば良い話なんだ……!
ちょっと変装したら大丈夫かな。
「行く?」
『行きます!』
「そ。じゃあ6時ね。」
『了解です!』