王様の、言うとおり


本当に毎朝迷惑な……。

数分ぶりに戻った静寂に、よし、私もそろそろ学校に行く準備をしなければ……と

手掛けていた窓をもう一度スライドさせて閉めようとすれば。


ガラッ

『おい。』


目の前の窓から、今の今まで迷惑をかけていた目覚ましの持ち主が姿を現しました。

「お、はよ。」




『あぁ。』

不機嫌そうな顔で私を見るなり、すぐに足元の、ベランダに転がっているクッションを屈んで掴む。



……本当に寝起き?

寝癖一つ無いサラサラの髪の毛が吹いている生暖かい風によってなびく。





部屋着だから寝起きなのは間違いないだろうけど、

今の今まで寝ていたとは思えない姿。

羨ましい、というか憎たらしくなります。





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