王様の、言うとおり
私なんか毎朝何分も時間を掛けて髪の毛をセットしてると言うのに。
と、その髪に見惚れていれば。
『ほら。』
「わぁっ!?ぶっ……!」
クッションが、すごい勢いでこちらに戻ってきました。
突然のことで反応することが出来ずに顔面でおもいっきりキャッチ。
手は少しだけ受けとめようと手のひらを向こうに見せただけで間に合わず。
痛い。痛いよ。クッション柔らかい素材のはずなのに、かなり痛い。
至近距離で全力で投げてくる意味が分からない。
少しは配慮してくれるような優しさは無いの?
せめて投げるよ、くらい教えてくれても良いのに……!
……顔面で受けとめたクッションは、まさにさっき私が向こうの窓に投げたように
私の顔に当たったことで力を失い、そのまま落下。
動かした手の中に収まる。
痛みに顔を歪めながらゆっくり開いた目に映る煌は……
ベランダのてすりに腕を置き、こっちを見て愉しそうに笑ってます。
私は痛みと憎しみで眉間に皺が寄ります。
『……ありがとうは?』
「は?」
『クッション。返してあげたんだけど。』
「顔面ヒット、と言う方法でですけど。」
『言うことあるだろ?』
「……何のことですか。」