レーザービーム【ほのB】
あの人、誰だったんだろ?

名前どころか、男だったのか女だったのかすらも思い出せない。

まあ、そんな急速に思い出そうとする必要もないけど。

「おや、お姫様が目覚めたらしい」

その声に視線を向ければ、
「…真鶴さん?」

壁にもたれかかり、僕を見る彼と目があった。

いつものスーツではなく、Tシャツとジーンズと言うラフな格好だ。

どこか若さを感じるのは……あ、真鶴さんはまだ若いか。

んっ?

「えっ、ここ?」

状況に気づき、首を左右に動かした僕に、
「俺ン家だ」
と、真鶴さん。

俺ン家!?

驚いて、思い出す。
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