レーザービーム【ほのB】
ホストの彼女と言う人は、こんなにもたくましいのかと思う。

帝さんと一緒にいろいろなことを経験すれば、こんな風に見えるのかな。

どんな試練だって乗り越えていける自信がある、みたいな。

「あの、1つ聞いていいですか?」

僕は言った。

「はい」

「えっと…」

名前が出てこない。

と言うか、名前自体知らないことに気づいた。

“帝さんの彼女さん”って呼んでたから。

確か、帝さんは“静香”って呼んでたけど、彼氏じゃない僕が名前を呼んでもなあ。

そう思いながら困っていたら、
「桜です」
と、彼女さん――桜さんが答えてくれた。
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