恋がみのる時
今日は、週の初めの日。

「ふぁ-」
・・・にしても、眠いねえ。

「あれ、田中先輩?」
真琴は、後ろから話し掛けられた。
振りかえるとそこには一輝が立っていた。

「あ、一輝君!!おはよう」
え・・・朝一で会えちゃった系??
やばい、嬉しすぎる!!
「おはようございます-。先輩もここ通学路だったんすね!」

ハキハキとした口調で一輝は話す。

「う、うん!東山団地に住んでんだ、あたし」
「そうなんですか!俺は森園です」

森園ってことは東山団地のちょっと行ったところか・・・

「なんか以外に近いね!!」
"以外に"・・とか行っちゃたよ-。
「はいっ」
一輝は笑って大きく頷いた。
そんな、笑顔に私はドキドキして仕方なかった。



「おはよう-!」
恵もまた、いつもと変わらない感じ。
「おはよう!めぐ!」
なんか、あたしが単に上がっちゃってるだけかも。
「真琴、一輝くんと一緒に学校まで来たの?」
「え・・・なんで」
「見た♪てか、周りの子こっち見てるよ。何か」

そう言われて見ればなんか視線が突き刺さるような。
え・・・別にみんなが思ってるような関係じゃないんですけど・・・

「よかったね!真琴!」
「え!!うん、ありがとう」

今思えばあんなに一輝と話すのも初めてだ。
たったの5分間だけの登校時間。
わたしにとってはとても忘れられない時間になった。
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