こんぺいとう【2】
くふふ、なんて嫌な笑い方して見下ろしてくる彼は、なぜか私の名前を知っていて。
「梅ちゃん、大学で人気者だもん。知らないわけないじゃん」
「同じ、大学なの?」
「武井 和夏(わか)。梅ちゃんと同じ法学部の1年ね」
1年ってことは私より1こ下じゃん。なんでこんなラフなの。
……あれ?待て待て。
“ワカ”ってどっかで聞いたことあるような気がする。
「っ、あっ!」
「うわ、なになにっ」
そっか、思い出した。
法学部期待のプリンス……とかってだっさい名前つけられてた子だ。
「……プリンス、ねぇ」
「ん?」
「なんでもない。って言うか、敬語使おうよ、敬語」
「えー、今更」
堅物君ばかりなイメージの法学部に、さらさら金髪のイケメンとくれば“プリンス”なんて扱いにもなるだろう。
……まぁ、個人的にはとっても苦手な人種だ。