こんぺいとう【2】
「りょうちゃーん!こっちこっち!」
「ちょっと、あんま離れないで下さいよっ」
「はーやーくー!」
尋さんと初めて会ったのは、大学のサークルで。彼女は2つ上で、大学のマドンナだった。
「りょうちゃーん!」
わがままで気が強くて頑固な尋さんにいつの間にか惹かれていて、だけど告白する勇気なんてなくて。
あっという間に卒業してしまった尋さんとの繋がりは、忘れた頃にやってくるメールだけ。
「そんな走ったら転けますよ」
「転けても痛くないもーん」
俺も無事、大学を出て1年。
これ以上ウジウジしてるのが嫌で、一大決心をして尋さんの大好きな海で告白したんだ。
フられたら諦める。
そう決めてた。
もう会わないって、決めてた。