こんぺいとう【2】
なんでそんなに嬉しそうにしてるんだろう。
なんでそんなにそわそわしてるんだろう。
「……尋さん?」
名前を呼ぶと、彼女はハッとして気まずそうに顔を背けた。
「もしかしてあの時、三咲先輩が俺のこと好きだって知ってたんですか?」
「……えぇーっと、」
「だから、俺をフったんですか?」
「………っ…」
俺が距離を縮めると、尋さんは後ろに一歩下がる。
真っ暗で表情はよく見えないけど、尋さんが動揺してる気がした。
これは、自惚れでもっていいんだろうか。
「今でも俺が好きなのは、尋さんですから」
逃げる彼女の腕を捕ってそう言うと、尋さんは完全に俯いてしまった。