こんぺいとう【2】
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「……可奈?」
「っへ?なに?」
翔くんの声に気づいたときには、もう近くに私の家が見えていた。
「なに考え込んでんの?」
「なっ、なんでもない」
「なんだよ、変な奴」
「……ごめんごめん」
今じゃ私との身長差は20センチ以上。
私が顔を上げない限り、翔くんに私の表情は分からない。
だからこうして、いつも彼は腰を折って私の顔を覗き込む。
「泣きそうな顔してる」
「……そうかな」
「なんか、隠してる?」
見透かされそうな瞳から逃れるように顔を逸らす。
「可奈」
不機嫌な声にビクリと肩が跳ねる。臆病者な私は、昔も今も変わらない。