こんぺいとう【2】
何も言わずに紙をポケットに閉まって、バフッと枕に顔を埋めた。
こんの、無神経鈍感馬鹿男。
「……テツ君ってさ、モテるよね。背も高いし、細いのに意外と力持ちだし、笑うと可愛いし」
彼の坊主頭に向かって投げやりに言葉を重ねる。
「声もいいし、スポーツできるし、頭も悪くない、」
「何が言いたいの」
「いや別に。物にできたらデカいなぁって思っただけ」
「いい奴だよ、テツは」
……知ってるっつの。
って言うか明日って、私の見たい映画につき合ってくれる日じゃなかったっけ。
忘れてんのか、忘れたフリしてんのか……どっちにしても最低だ、くそハゲ。