こんぺいとう【2】
「よーう、相変わらず不機嫌だねぇ。頼ちゃん」
「殴られたいか」
「怒りん坊だな、頼ちゃん」
「うるせー」
成の頭を撫でながら俺をからかうこいつと、腐れ縁だと思うと今でも毎日後悔できる。
小学校に入学した当初の自分に教えてやりたい。こいつとだけは喋るなって。
「とまくんも今帰り?」
「そーだよー。一緒に帰る?」
「帰る!」
「帰らねーよ」
「えー」
「えー」
2人分の不満の声を聞き流して成の手を引いた。
成は初めて会った時から、すっかりこいつ――斗真(とうま)にべったりで。
斗真もなんだかんだ成のこと可愛がってるからムカつく......他の女とも適当に仲良くやってるくせに。
「頼ー、ほんっと可愛いなお前」
「キモい。近寄るな変態」
結局、成を真ん中に挟んで3人で帰ることになるのがお決まりのパターン。
あんまり斗真の扱いを悪くすると成が怒るんだ、仕方ない。