こんぺいとう【2】
やばいやばいやばいやばい!
「完っ璧に怒ってたよな、今のは」
普段、女の子から素敵だのなんだのって騒がれてる低音で響く声はかなり不機嫌そうだった。
通話が切れた携帯の画面に表示された“不在着信5件”なんて文字を発見した時には本気で息が止まった。
あぁ、考えれば考えるほど胃が痛くなってきたよ、まじどーすんのっ。
と、とりあえずあれだ、着替えだ。
「......うわぁ、終わったな」
心の中で葛藤しながらクローゼットを開けた瞬間、全身鏡に写る自分を見て悟った。
窓の外は憎たらしいくらいに快晴だって言うのに、うちの近くにだけ確実に物凄く分厚い雷雲がやってくる。
「希里、」
「ごめんなさいごめんなさい」
「......はぁ、」
「え、ちょっ、え?」
「寿命縮んだ。責任取れ、バカ」
「えー、恭ちゃん?」