こんぺいとう【2】
ガタンゴトン、
揺れる電車の窓の外は、少し前から知らない景色が流れていた。
1ミリたりとも動けない状況で、右肩にはズシリと重みが……。
「あのー、」
これで何駅目だろうか。
声を掛けでもピクリとも反応しないで、勝手に人の肩借りて寝入ってる彼を揺する。
始駅で乗って2つ目で降りるのが私の日課。
この人が乗ってきたのは私が降りる一駅前。
……なのに、なんでこうなった?
たった一駅でここまで眠れる人っているの?なんなの、ギャグとか?だとしたら最低だ。
「あのーっ、」
この電車がどこまで行くかなんて知らない。
この人がどこで降りるかなんて知るはずもない。
「……なんの罰ゲームよ」
ブレーキ音にかき消された独り言。……泣いてもいいかな。