ウソつき悪魔
「ガキ。」


「お兄ちゃん急につめたーい…」


私は頬を膨らませた。


お兄ちゃんはこちらを振り向くこともせずにジェットコースターへと足をドンドン進めていく。


「……ハズイ…」と、お兄ちゃんが呟いたのは私はききとれなかった。




「ジェットコースター、あんまり怖くなかったね。」

私はイスに座りながらコーラをストローで飲んでいた。


「まぁ、あまり人気ないやつだったし、仕方ないと言えばそうだな。」


「でもあれ、スリル無さ過ぎるって!」


私達がそんな話をしていると、人の影が見えた。


「久しぶり、海。妹さんとデートかしら?」


え…、誰…?


「斉藤さん…、なんで…」

「今日は気分晴らしに来たのよ。ほんと奇遇ねぇ…?」


この人、なんかやだ…。私は妙な違和感を感じた。


「そーっスか?別に普通でしょ。」


「海ったら照れてるの?かっわいー!」


パシッ


「さわんないでくれますか? 行くぞ。連。」


「あっ、待って!」


急にどうしたんだろう…、
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