ウソつき悪魔
「ねぇ、お兄ちゃ…」


「今日はもう帰ろう。お兄ちゃん疲れた。」


「そ、そんな…まだジェットコースターしか…」


「いいから。」


意味わからないよ…、お兄ちゃん…。


風でお兄ちゃんの汗が乾いていくのを、私はジッと見た。


「…お兄ちゃん。」


「なに?」


ポテポテと、私達は家までの道のりを歩いていた。

「遊園地にいた、斉藤さんってお兄ちゃんの知り合い?」


「あぁ。知り合いだ。」


「あの人の事…、お兄ちゃんは嫌いなの…?」


「嫌い?少し違う。苦手なだけだ。なに考えてるかわかんないしな、」


「そっか…」
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