ウソつき悪魔
私は、お兄ちゃんからコントローラーを受け取ると、ぎこちなく操作を始めた。

「まずはキャラ選んで」


「キャラ…?うーん…」


私はテレビ画面をジッ、と見た。


悪魔みたい…。


テレビ画面には、悪魔みたいなキャラが一人いた。私は慣れないものの、コントローラーを操作してなんとかその悪魔を選択した。


「デイビにしたのか?よし、じゃあ俺は…」


デイビ、それがこの悪魔の名前らしい。


お兄ちゃんは、動物みたいなキャラを選択していた。

「いくぞ!」


「わっ、ずるい!」


カチカチとコントローラーを操作する音が部屋に響いた。



お兄ちゃん強い…、


呆気なく私は負けてしまった。悪魔のデイビは、体力がなくなり、倒れてしまったのだ。


「デイビ…、弱い…」


「おいおい、デイビのせいにしちゃダメだろ?」


「だって…、」


「もう一回やろうぜ!」


「嫌だ。もうやめる。」


私はイライラして、コントローラーを適当に投げると自分の部屋に入った。


デイビ弱い…、悪魔のくせに……。


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