ウソつき悪魔
「カ、カイル…!」


「…あと少しだから…」


そう言ってカイルが耳を軽く噛むと私の耳に少しの痛みが走った。


チクッ


「っ…、終わった…?」


「終わった。ほら、お前の耳にピアス付いてるだろ?契約の証。」


「え?」


私はカイルに言われて耳を触ってみた。


チャラ…、


「あ、ほんとだ……」


触ってみる限り、十字架のピアスっぽい…。


「これで願い叶えられる。言え、願いをな。」


「……お兄ちゃんとずっと一緒にいたい…。」


これで、いいんだ――、きっと…。


その瞬間、カイルを黒い霧が包んだ。


「願いページ、一ページ目。『お兄ちゃんとずっと一緒にいたい。』本よ、導け。」

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