ウソつき悪魔
カイルは舌打ちをして、私を強く抱き締めた。


「…連のせいじゃねぇーから。言っとくけど、ぜんぶ俺のせい。反論は受け付けない」


「やだっ!!!離して!じゃないと私っ…」


……壊れてしまう。


甘えたくて。でも、それはいけないこと。だから…

「あ゛?きこえねぇ…」


カイルはカプッと私の耳を甘噛みした。


「…ッ!? 」


私は顔を真っ赤にして抵抗をするが、びくともしない。


「いいか?よくきいとけ。悪魔ってゆーのはな、願いを叶えると同時に代償が必要なんだ。」


「え?」


代償…


「だけど、普段はその代償はお前からもらってる気力って事になってる。


けれど、大きい願いになれば、気力だけじゃ足りねぇ。だから今回は特別に俺が代償を払ってやった。」


「なっ!?」


カイルが代償を?!
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