ウソつき悪魔
「驚かないほうがおかしいですよ!!!」


「ふぅーん、人間って変わってるんだな。」


「いやいや…、」


なんか変な雰囲気になっちゃった…、


私は顔をひきつらせた。

「でもお前の血はかなりうまかった。またくれよな?」


そう言ってカイルは私の唇を指でなぞった。


「〜〜ッ!?」


は、恥ずかしい!!!


私はパッと顔を背けた。

「つれねぇなぁ。まぁいいか、さて、これから俺はこのへやで住むから。」


「…え?なに言って…」


「だって悪魔大王にそうしろって言われたんだからしょうがねぇだろ。悪魔大王には逆らえねぇんだよ。」

「悪魔大王…?」


「そう、悪魔大王。悪魔界で一番偉い人のこと、」


悪魔界で…、一番偉い…? そんな人いるんだ…。


「普段は大人しい人なんだけど、怒らせると誰にもとめられない。下手したら殺られる。」


「ひぇっ!」


私は思わず変な声をだしてしまった。

だって、殺られるって…、死ぬって事だよね…?


それは困る…!


「だから、これからヨロシク」


カイルは、ウィンクをすると私のへやの窓を開けた。

ブワッ


「今日はこれから用事があるからいなくなるけど…、また明日からは覚悟しといてね」


そう言いながらカイルは窓から飛び降りた。


私は慌てて窓から景色をのぞいたが、カイルの姿はなかった。


「ゆ…、夢だったとか…?」


でも、そんなわけないだろうし…。


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