執事の詐欺
疑わしくてしょうがない・・・この人が執事って・・・
この先大丈夫なんだよね??
そんな不安を覚えたあたしを瀬名さんがじぃっと凝視する。
「な、なんですか。」
不覚にもドキッとしてしまった。
「お前、男作ったことねぇだろ。」
・・・・はぃ???
男=恋人
っていうことですよね???
「もう・・・毎日毎日勉強で、そんな事考えてませんし、直々、親が勝手に婚約者を決めるでしょう。」
しょうがないことだし、あたしは「分かりました」としか言えない。
「お前さ、そんなのつまんなくね???」
「はい。つまんないです。」
「良いのか?お前はそれで」
「・・・・・」
良いわけがない。
もっと自由な生活をしたい。
それをずっと何年も望んでいるんだから。
でも
「我慢の上での後継者です。湊グループの娘でいる限り、会社の事を第一に考えないといけないんです。」
「ふーん・・・・」
頬杖を突きながら珈琲を飲む瀬名さん。